ニキビ・ニキビ跡のレーザー治療

ニキビ(尋常性痤瘡:acne vulgaris)は、最も多く見られる炎症性皮膚疾患の一つです。通常、思春期の間に生じ、20代で自然に治まることが多く、数個程度のニキビが時々生じる軽症であれば、医療機関に相談することも少ないでしょう。

しかし、一般的にニキビは不衛生なイメージを人に与えるばかりでなく、あまりに多かったり、繰り返し生じたり、痕も残るなどで見た目が大きく損なわれ、人によっては対人関係にも影響を及ぼすなど、大きな悩みになることもあります。日本橋Fレーザークリニックでは、複数のレーザーやその他の光治療で治療を行うことで、今あるニキビの治療のみならず、ニキビ跡またはニキビができにくい肌質に改善することまで可能です。

 

ニキビの原因

ニキビの原因としてはニキビ菌の存在と、皮脂の分泌、角質の回転異常が挙げられます。原因菌は、皮膚に非常に多く存在するアクネ桿菌(プロピオニイバクテリウム・アクネス、P.acnes)と言われるものです。アクネ桿菌は、嫌気性の細菌のため酸素のない皮脂腺の奥に棲息し、皮脂を栄養とします。この菌は皮膚常在菌なので、菌そのものは誰もが持っています。したがって、アクネ桿菌のみが原因とはなりません。現在、ニキビが生じるメカニズムとしてまず、毛穴の中で角化(汚れも同じです)、つまり角栓(マイクロコメド:microcomedo)が生じ、毛穴が塞がれてしまいます。

しかし、この段階では皮膚に何ら障害は生じません。次に、アクネ桿菌が皮脂を分解して遊離脂肪酸になるとコメド(いわゆるニキビの芯)が作られ、また紫外線や空気中の酸素が皮脂を過酸化物質に変化させ、その結果、炎症が生じて赤くなる、膿が溜まる等の症状が出現します。さらに進行すると、毛穴が破れて中身が流れ出し、炎症が広がることもあります。その場合は皮膚の深い部分まで傷つけてしまうため、炎症が治っても痕が残ることになります。ニキビは一般的に、その色合いから赤・白・黒ニキビに分けられます。

赤ニキビ

炎症の急性期で膿を伴い腫れた状態、または慢性期で傷跡として残っているもの

黒ニキビ

皮脂が酸化して黒く変色した物質が溜まった状態、あるいは出血の痂皮(かひ)(かさぶた)が残っている状態

白ニキビ

コメドが盛り上がり、皮内に残った状態。炎症は伴わないニキビの名残

思春期のニキビ

思春期、つまり二次性徴期に入ると、身体では男女ともに男性ホルモンが分泌され始めます。皮脂腺は性ホルモンのうち男性ホルモンによって刺激されるため、その時期になると分泌活動が活発になります。そのため思春期のニキビは女性に比べ、男性に多く見られます。これに伴いアクネ桿菌も増殖します。思春期ではそれ以外でも活発な代謝活動が行われているので、角栓が生じやすくニキビの原因となりやすいのです。過去にはニキビは洗顔不足等、衛生習慣に問題がある場合に生じる(もちろんそれは原因となりますが…)とされ、不衛生なイメージを伴いがちでしたが、決してそのようなことはありません。

大人のニキビ

近年は、思春期のニキビより大人のニキビの増加が気になるところで、大人のニキビで来られる患者さん(年齢が20代以降でニキビ治療を希望される方)の数が増えてきているのが現状です。

大人のニキビで来られる患者さんは、思春期のニキビと違って女性が多いのが特徴です。もちろんこれは来院される患者さんから得られる印象ですので、正確な実数は分かりません。

ただ、共通項としては(1)化粧はしっかりする、(2)冷え症である(代謝が悪い)、(3)生活時間が不規則である(夜1時以降に就寝することが多い)、(4)必ずしも脂性肌ではなく、むしろ乾燥肌である、(5)生理周期と関連がある(生理前が一番多い)…等が挙げられます。

ニキビの原因としては、皮脂の分泌の亢進(こうしん)からニキビ菌の増殖過剰という思春期の原因とは異なり、角質の代謝が落ちて角栓(毛穴に詰まる角質の栓)が生じやすくなるなど、ホルモンのバランスの変化に伴うものが多いようです。

ニキビに対するレーザー治療

レーザードレナージ

化膿性疾患の外科治療の基本は排膿となります。ニキビといえども一緒です。ウルトラパルス炭酸ガスレーザーで針より細い穴を開け、中のコメドと膿を排出します。針で穴を開け排膿する方法と比べ、レーザーは同時に殺菌も行えます。急性期の赤ニキビの基本的治療になります。
使用レーザー:ウルトラパルス炭酸ガスレーザー

炎症の強制リセット

赤ニキビの急性、慢性に関わらず赤みは炎症を伴うものです。炎症では新生血管の増生が生じます。この赤みの 遷延は炎症が残っている証拠でもありますし、ニキビの痕としても目立ちます。治療法としては、色素レーザーを用いて新生血管を壊し、炎症の強制リセットを することで赤みを取り除き、炎症も抑えます。
使用レーザー:色素レーザー

コメドの除去

ニキビは落ち着いているのに、以前のニキビの痕が盛り上がって白ニキビ化しているような場合、コメドの除去をしないと一生そのまま残ります。レーザーで細い穴を開け除去すれば、化粧のノリ、肌触りの良さも快復します。
使用レーザー:ウルトラパルス炭酸ガスレーザー

治療の概要

治療回数 1回~
治療期間 1ヶ月~
治療間隔 ニキビができたら
治療費

1レーザーにつき1個550円(税込)

可能性のあるリスク・副作用 色素沈着、発赤など

 (再診料、写真代、薬剤費などが別途かかります。)

ニキビ跡の治療

 

ニキビ跡と呼ばれるものは、大きくわけて二つあります。

 

ひとつは、ニキビが治っているのに赤みだけがしつこく残っているものと、もうひとつはニキビが膿んで凹んだ傷跡になっているものです。

 

ニキビの赤みは本来しばらくすれば自然に消褪するものですが、ニキビが多数できる方ですと新しいニキビの炎症が波及することで、赤いニキビ跡も刺激され、なかなか赤みが治まらない状態です。10代のニキビですと次から次へと新たなニキビが生じてしまうことで常に顔が赤い状態が続きます。これに対する治療は、原則ニキビのレーザー治療と同じで色素レーザーを用います。当院では、ニキビ跡の赤み、新たに生じたニキビを特に分けることはせず、患者さんが希望する赤みのある部分を数えて治療を行います。但し、新鮮なニキビは通常1回の治療でよくなりますが、ニキビ跡の赤みは複数回治療を必要とします。

 

凹んで治ってしまったニキビ跡は、厳密には陥凹(かんおう)瘢痕といいます。陥凹瘢痕の治療はレーザーやその他の治療法でも困難なもののひとつです。当院では、炭酸ガスレーザーと色素レーザーの複合レーザーを使用し治療をすることで結果を出しています(詳しくは陥凹(かんおう)瘢痕の項)。全てのニキビ跡が同じように反応するのではなく、部位や個人差、そのニキビの経過によって治療回数は異なるため、治療は複数回必要とお考えください。

 

 

ニキビに対するレーザー以外の治療

ニキビの問題は、繰り返し生じることです。最終的にはニキビが生じないようにするのが目的であり、肌質改善と予防の治療になります。

LED治療

ニキビのLED治療は、肌の新陳代謝を上げることでニキビの原因となる角栓(毛穴に詰まる角質の栓)を防ぐだけでなく、ニキビ菌に対して抗菌的に作用します。ニキビのLED治療の場合、青色のLEDを使用し、ニキビ菌が作り出すポルフィリンがこの青色光を吸収し、殺菌作用が発現されます。無痛で副作用もほぼなく安心して受けられる治療です。LED治療は1、2週間の間隔で行い、1回の治療時間は15分間です。自費診療で当院では1回2200円(税込)となっております。

ピーリング治療

ピーリング(peeling)とは、皮を剥くという意味です。皮膚表面の角質層を定期的に薄くすることでマイ クロコメド(角栓)の出現を防ぎ、ニキビの予防になります。日本橋Fレーザークリニックでは、ピーリングの方法としてサリチル酸マクロゴールピーリングとソルトピーリングからお選びいただけます (角質ケアの項参照)。実際にニキビが多数ある状態では、サリチル酸マクロゴールピーリングをお勧めします。(※現在サリチル酸マクロゴールピーリングのご予約は受付しておりません。)

その他の治療

その他の治療として外用薬や内服薬との併用を行い、効果的にニキビの治療を行います。

治療をされる方へ(治療前後にご準備いただくと便利なこと)

 1.患部を出しやすい服装でお越しください。

   

 2.治療後、部位や状況によっては

   ガーゼが当たる場合と当たらない場合がございます。

    

   お顔や首の治療の方は

   マスク、サングラス、スカーフ、

   つばの広い帽子などを

   ご準備していただくとよいかもしれません。

 

 3.赤ちゃんの治療後は、患部を触る可能性がありますので

    ミトンなどのご準備があるとよろしいかもしれません。

 

 4.治療の状況にもよりますが、

   1週間ほど患部はお化粧等ができない場合がございます。

 

   そのため治療を行う場合は、前後のご予定などもお考えの上

   ご予約をいただければと思います。

 

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   シミの治療に関してはこちら

   傷跡・肥厚性瘢痕・ケロイド・陥凹瘢痕に関してはこちら

 

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