粉瘤など、皮膚の良性腫瘍の治療

ある日、気付いたら体にしこりのようなものを触れた。しばらく様子を見ていてもあまり変化がしない、年単位で見たらなんだか少し大きくなってきたような気がする。それで気になって病院で診てもらうにも何科にかかれば良いかよくわからない。実際に来られた患者さんからよく聞く話です。この場合正解は形成外科です。

 

なぜ形成外科なのか

 

形成外科とは先天的、後天的に生じた身体の組織の異常や変形、欠損に対し手術を中心とした手法で機能的、形態的,整容的により正常に、より美しくすることを目的とした、臓器や体の部位に関係なく治療を行う科です。それこそ、頭や顔の骨の手術からつま先の爪の手術まで行う外科系の専門領域です。
診察診断は当然皮膚科でも行えますがこのようなしこりの治療はほとんどの場合は手術となりますので手術が行える形成外科に行くのが正解となります。以下に代表的な皮膚の良性腫瘍を列挙します。

1. 粉瘤(atheroma: アテローマ、epidermal cyst, epidermoid cyst)

皮膚にもっとも多く発生する皮膚腫瘍といわれますが、厳密にいうと腫瘍ではなく皮膚の嚢胞性疾患です。皮膚の表皮が内めくれになりその中にケラチン物質、皮脂などがたまって少しずつ増大し、真皮側に入り込んだものです。イメージとしては油カスが詰まった表皮でできた巾着が皮膚に埋まりこんでいる状態です。


大きさは数ミリから数センチのものまでさまざまで硬さは硬いものから弾力のあるものとあり通常痛み、かゆみなどの症状は伴いません。時々粉瘤を押すと不快な臭いがする白い油カスみたいな物が出ることがあります。


治療は手術が基本ですが、粉瘤は必ず治療しなければならないものではありません。手術の傷跡を懸念して放置を選択することも可能です。ここで何事もなければそれで良いのですが、ある日突然痛みを伴って腫れて、赤くなることがあります。これは粉瘤が化膿した状態です。抗生剤などで鎮静化しなければ、皮膚を切開し膿を排出させます。この時の傷は縫わずに自然に塞がるまで待つので手術した時よりも目立つ傷になります。背中など本人から見えない場所にある粉瘤は化膿したことで初めて本人も気付くことも多くあります。

 

そのため、手術をするかしないかは、粉瘤の大きさ、状況、また手術の傷跡等を考えて行う必要があります。

 

当クリニックの場合、傷跡の治療もおこなっておりますので、術後の傷跡治療等も含めてご相談いただくことが可能です。

 

 

2.皮膚線維種 (dermatofibroma:デルマトフィブローマ)

赤褐色から茶色の半球状の皮膚の腫瘤です。押すと軽い痛みや違和感を伴う場合もあります。皮膚線維種は名のごとく皮膚の線維成分が増加したもので大きさはほとんどの場合1㎝未満です。好発部位は四肢とされていますが、体上の皮膚どこに生じてもおかしくはありません。癌化することはないとされていますので基本的に放置していて問題ないのですが、もし治療を望む場合、その適応あるいは目的としては、


1.見た目が気になり手術後の瘢痕の方が良いと考える場合
2.違和感、圧痛が気になる場合
3.毛を剃るときにカミソリが当たって傷がつくなど日常生活で不具合がある場合


などが挙げられます。

 

3. 脂肪腫 (lipoma: リポーマ)

脂肪腫は皮下軟部組織に生じる腫瘍の中で最も多くみられるものです。大きさはそれこそ数ミリのものから10センチ以上のものまでまちまちですが、基本的には良性腫瘍であり、特に症状などもないことが多いため、診断がついているのであれば必ずしも摘出しなければならないものではありません。ただ、見た目は半球状の盛り上がりになるため、気になって手術を望まれる方も多くいます。治療法は手術のみとなりますが、この時皮下脂肪に生じた小さめの浅在性の脂肪腫であれば局所麻酔で外来手術でと簡単に行うことができますが、大きい脂肪腫または筋肉の中あるいはその下にできた深在性ものだと入院、全身麻酔下での手術となる可能性もあります。

治療の概要

治療回数 手術の場合 1回
治療期間 3~6ヵ月
治療間隔
治療費 保険適応